〜6年分1,994回の走行データを元に、5週間でサブ3.25を狙う完全パーソナライズドプラン〜
はじめに:マラソンランナーの共通課題
2026年2月8日、フルマラソン本番まで残り37日。
自己ベストは3時間4分。コロナ禍を経て最近のベストタイムは3時間14分。目標はサブ3.25(3時間10分〜3時間20分)。走力的には十分狙える範囲だが、一つ大きな課題があった。
30km以降の失速問題だ。
直近の大会ではふくらはぎが痙攣してペースを上げられず、それ以前もジェルを受け付けなくなったり、体幹に力が入らなくなったり。30kmを過ぎると必ず問題が起きる。
「この課題をどう克服するか?」
そんな時、ふと思いついたのが「生成AIに相談してみる」ことだった。
従来のトレーニングプランの3つの限界
マラソンのトレーニング計画は書籍やネット上に数多く存在するが、どれも「しっくりこない」。理由は大きく3つある。
❌ 限界1:画一的なプラン
「サブ3.5プラン」「サブ4プラン」など大雑把な区分しかない。最近のベストタイム3時間14分の私には、どちらも合わない。個人の走力や経験、目標が反映されない画一的なプラン――これが第一の限界だ。
❌ 限界2:期間のずれ問題
多くは「16週間」「12週間」の固定期間。「5週間しかない」場合、どこを削るべきか判断できない。短期間の場合の対処法は書いていない。
❌ 限界3:過去データが活かせない
Runalyzeで6年間記録してきたデータがある。
- 期間:2019年5月〜2026年1月
- 総アクティビティ数:1,994回
- 総走行距離:22,109km
この膨大なデータに詰まった貴重な情報を活用できるプランは存在しない。自分の強みや弱点が分からないまま、「一般的なプラン」に従うしかない。
解決策:生成AIという選択肢
これら3つの限界を解決できる方法はないか?そう考えた時、頭に浮かんだのが生成AIだった。
なぜAIなのか?
生成AIなら、こんなことができるのではないか:
- ✅ 大量の走行データを分析
- ✅ 5週間という短期間に最適化
- ✅ 個人の課題(30km以降失速)に対応
- ✅ 状況変化に柔軟に調整
- ✅ 対話しながらブラッシュアップ
従来のトレーニングプランは「一方通行」。でも、AIなら対話できる。疑問点を聞ける。修正を依頼できる。
「もしかしたら、自分専用のトレーニングプランを作れるかもしれない」
そう思って、生成AIに相談してみた。
やってみたこと
実際にAIとやり取りしながらトレーニングプランを作成した。その過程で取り組んだことをまとめる。
① データ共有の試行錯誤
まず最初の課題は「AIにどうやって走行履歴を見せるか?」
試したこと
| 方法 | 結果 | 学び |
|---|---|---|
| Runalyzeダッシュボード共有 | ❌ ログイン必要で見られず | 公開設定が重要 |
| Google Spreadsheet | △ 一部データのみ表示 | 大量データには不向き |
| Excelファイルアップロード | ✅ 全データ読込成功 | ファイル形式が最適 |
学び: AIはファイル読み込みが得意。1,994件のデータを完璧に分析してもらえた。
② 目標タイムの調整(上方修正)
データを読み込んだAIの最初の提案:目標タイム4時間00分〜4時間10分
「いや、もっと速く走れます!」
実力を説明
- 最近のベストタイム:3時間14分(2024年12月)
- 直近フルマラソン:3時間21分45秒(2025年10月)
- 目標:サブ3.25(3:10-3:20)
- 1月のゆっくりペースは初詣ジョグのため
AIの反応:即座に修正
すぐにサブ3.5ランナー向けプランに変更。トレーニングペースも4:30/km基準に。
学び: 前提条件を正確に伝えることが重要。AIは修正依頼に柔軟に対応してくれる。
③ イレギュラー対応(月例マラソン参加)
1月18日(日)に月例マラソン10km記録会参加が決定。
AIの提案:逆転の発想
「これは素晴らしいチャンス!10km記録会をスピード練習として活用しましょう」
| 日付 | 当初の計画 | 修正後の計画 |
|---|---|---|
| 土1/17 | 18km Tペース走 | 20km ロングEペース |
| 日1/18 | – | 🏁10km記録会 |
| 月1/19 | 休息 | 完全休息 |
| 火1/20 | ヤッソ800 | 6km 軽いjog |
ヤッソ800を削除し、月例マラソンをポイント練習に。
学び: 予定変更に柔軟対応。しかも「削る」ではなく「活かす」発想。
④ 弱点克服の深掘り
30km以降の課題を詳しく説明:
- ふくらはぎが痙攣する
- ジェルを受け付けなくなる
- 体幹に力が入らなくなる
AIの反応:「これは全て対策可能です!」
課題1:ふくらはぎの痙攣
原因: 電解質・ミネラル不足、脱水、筋疲労
対策:
レース前(1週間前から)
- マグネシウムサプリ(就寝前300mg)
- 芍薬甘草湯(レース前日・当日)
- 食事でミネラル補給(バナナ、ナッツ、ヨーグルト)
レース中
| タイミング | 補給内容 |
|---|---|
| スタート前 | 芍薬甘草湯1包 |
| 10km | 電解質タブレット+水 |
| 20km | 電解質タブレット+スポドリ |
| 27km | 電解質タブレット+塩飴+水 |
| 35km | 電解質タブレット+水 |
具体的商品: 塩熱サプリ、MEDALIST、芍薬甘草湯
課題2:ジェルを受け付けない
AIの画期的な提案: 「ジェルを諦めましょう!」
これには驚いた。マラソン補給といえばジェル。「ジェルが合わない = 問題」だと思っていた。
でもAIは「固形食に切り替えればいい」と提案。
代替補給プラン:
| 距離 | 補給内容 | 理由 |
|---|---|---|
| 10km | バナナ半分+水 | 消化に優しい |
| 17.5km | 羊羹1切れ+スポドリ | 固形で胃に優しい |
| 25km | カステラ1切れ+水 | 吸収早い、食べやすい |
| 32.5km | 塩飴+梅干し+水 | 塩分+糖分 |
1/10の30km走でテスト実施 → 自分に合うものを見つける
目から鱗: 「ジェルが絶対」という固定観念からの脱却。しかも練習で試せる実践的な提案。
課題3:体幹に力が入らない
原因: コア筋肉の疲労、フォーム崩れ
対策A:体幹トレーニング(毎日5分)
- プランク:1分×2セット
- サイドプランク:左右30秒×2セット
- バードドッグ:左右10回×2セット
- レッグレイズ:15回×2セット
- ブリッジ:30秒×2セット
対策B:レース中のフォームチェック(5km毎)
- 姿勢:腰高キープ
- 腕振り:肘を後ろに引く
- 視線:10m先
- 呼吸:深呼吸5回
- 体幹:お腹に力
できあがったプラン
AIとの対話を重ねて完成したトレーニングプラン。
5週間トレーニングスケジュール
| 週 | 期間 | 距離 | 主なポイント練習 |
|---|---|---|---|
| 第1週 | 1/2-1/8 | 73km | 20km Mペース走 |
| 第2週 | 1/9-1/15 | 66km | 🔥30km Mペース走(最重要) |
| 第3週 | 1/16-1/22 | 52km | 月例マラソン10km |
| 第4週 | 1/23-1/29 | 57km | 15km Mペース走 |
| 第5週 | 1/30-2/5 | 24km | 最終刺激入れ |
合計:約295km
第2週の詳細(最重要週)
| 曜日 | メニュー | ペース |
|---|---|---|
| 金1/9 | 10km Eペース | 5:45/km |
| 土1/10 | 🔥30kmペース走 | 4:40→4:35→4:30→4:25/km |
| 日1/11 | 完全休息 | – |
| 月1/12 | 6km 軽いjog | 6:00/km |
| 火1/13 | インターバル 2km×4本 | 3:55/km |
| 水1/14 | 8km Eペース | 5:45/km |
| 木1/15 | 休息 | – |
ポイント: 土曜の30km走がこの計画で最も重要。ネガティブスプリットで走り、補給をテスト。
レース当日の戦略
目標タイム
- 基本目標:3時間15分(ペース4:37/km)
- チャレンジ目標:3時間10分(ペース4:30/km)
ペース配分(3:15の場合)
| 区間 | ペース | 通過タイム | 戦略 |
|---|---|---|---|
| 0-10km | 4:40/km | 46:40 | 抑える |
| 10-20km | 4:35/km | 1:32:35 | 維持 |
| 20-30km | 4:35/km | 2:18:40 | 補給しっかり |
| 30-40km | 4:35/km | 3:04:40 | 粘る |
| 40-42.195km | 4:30/km | 3:15:00 | ラストスパート |
補給計画(固形食メイン)
レース中
| 距離 | 補給内容 |
|---|---|
| スタート | 芍薬甘草湯1包 |
| 10km | バナナ半分+電解質タブレット+水 |
| 17.5km | 羊羹1切れ+スポドリ |
| 25km | カステラ+電解質タブレット+塩飴+水 |
| 32.5km | 電解質タブレット+塩飴+水 |
| 35km以降 | エイドのコーラ、水 |
持ち物リスト
- バナナ1本(カット済み)
- 羊羹2切れ
- カステラ2切れ
- 梅干し2個
- 塩飴7個
- 電解質タブレット5個
- 芍薬甘草湯1包
プランの特徴
✅ 個人データに基づいた設計(6年間1,994回分析)
✅ 5週間に最適化
✅ 30km以降対策に特化
✅ イレギュラーにも対応
✅ 詳細な当日戦略
従来の画一的なプランとは全く違う。これは紛れもなく「自分だけのトレーニングプラン」だ。
分かったこと
実際にAIを使ってトレーニングプランを作ってみて分かったことをまとめる。
✅ よかったこと(5つ)
1. 完全パーソナライズされたプラン
最大のメリットは完全に自分に合わせたプランが作れたこと。
- 1,994回の走行データを分析
- 自己ベスト、直近実績を考慮
- 5週間という期間に最適化
- 目標タイムに合わせたペース設定
「自分のため」のプランという実感がある。
2. 柔軟な調整対応
リアルタイムで調整できた。
調整例:
- 曜日のズレ → 即座に修正
- 目標タイム変更 → すぐに上方修正
- 月例マラソン参加 → 代替案を提示
従来のプランは「固定」。でも、AIならリアルタイムで修正できる。
3. 弱点克服の具体策
30km以降の課題に対して、原因から分析して具体的な対策を提示。
| 課題 | 対策 |
|---|---|
| ふくらはぎ痙攣 | 芍薬甘草湯、塩熱サプリ、塩飴 |
| ジェル受付拒否 | バナナ、羊羹、カステラ |
| 体幹脱力 | 毎日5分の体幹メニュー |
特に印象的:
- 具体的な商品名
- 距離ごとの詳細な補給計画
- 市販品で対応可能
- 「対策可能」という前向きな姿勢
4. 細部まで詰められた計画
驚くほど詳細なプラン。
含まれていた内容:
- 5km刻みのペース設定
- 通過タイム予想表
- レース当日の30分刻みスケジュール
- 持ち物チェックリスト
- 5週間の詳細スケジュール
- 補給計画(距離・内容・タイミング)
「人間のコーチでもここまでは…」という充実度。
5. 励ましとモチベーション
単なるデータ分析だけでなく、励ましてくれた。
印象的だった言葉:
「あなたは間違いなくサブ3.25を達成できる実力があります!」
心理的効果:
- データに基づいた評価が自信につながる
- 「一緒に」という伴走感
- モチベーション向上
AIは「伴走してくれる存在」として感じられた。
⚠️ イマイチだったこと(3つ)
完璧ではなかった。改善点も見えた。
1. 初回の認識ズレ
最初、AIは目標タイムを低く設定(4時間台)。
原因: 最近のデータ(初詣ジョグ)を「実力」と判断
対策: 自己ベスト、直近レース実績を明確に伝える
学び: 前提条件をしっかり説明することが重要
2. 曜日計算のミス
最初のプランは曜日が全てズレていた。
原因: UTC(協定世界時)と日本時間の時差
対策: 指摘したらすぐに修正
学び: AIも間違える。遠慮せず修正依頼を
3. 自分で判断すべきことは残る
AIはあくまでツール。
AIにできないこと:
- 実際に走ること
- 体調の直接確認
- 現場での即座の判断
- 怪我のリスク評価
重要: AIの提案を参考にしつつも、最終的には自分の体と対話する。
予想外の発見
AIとの対話を通じて、予想外の発見があった。
「ジェルを諦める」という逆転の発想
最も驚いたのは、AIが「ジェルを諦めましょう!」と提案してくれたこと。
従来の常識
- マラソン補給 = エネルギージェル
- 書籍にもジェル推奨
- 「ジェルが受け付けない = 自分に問題」
正直、「ジェルを使えない自分はダメなのか?」と思っていた。
AIの提案
「ジェルを諦めましょう!固形食で代替できます」
そうか、ジェルが絶対じゃないのか。
気づき
- 「絶対」という常識はない
- 自分に合わない方法は変えていい
- AIは固定観念にとらわれない
人間のコーチなら「ジェルに慣れる練習を」と言うかも。でも、AIは「合わないなら別の方法を」と提案。
これが生成AIならではの柔軟性だと感じた。
対話の重要性
もう一つの発見は**「対話しながら作る」**ことの価値。
双方向のやり取り
AIからの確認質問:
- 「1/10の30km走は実施可能ですか?」
- 「平日のポイント練習は大丈夫ですか?」
私からの修正依頼:
- 「曜日がずれています」
- 「もっと速く走れます」
追加の深掘り:
- 「ふくらはぎが痙攣する原因は?」
- 「ジェルが受け付けない場合は?」
結果
一方通行ではなく双方向。
- 対話しながらブラッシュアップ
- 疑問点をすぐ質問できる
- 何度でも修正できる
- 納得するまで調整できる
だからこそ:
- 「押し付けられた」感がない
- 「一緒に作った」実感
- プランへの納得感と愛着
これが、AIでトレーニングプランを作る最大の価値だと気づいた。
まとめ:あとは実行するだけ
生成AIと対話しながら、トレーニングプランを作ってみた。
計画は完成した
こんなプランができあがった:
✅ 6年分1,994回のデータに基づいた分析
✅ 5週間に最適化されたスケジュール
✅ サブ3.25を狙う現実的な目標
✅ 30km以降の失速対策
✅ イレギュラーにも対応
✅ レース当日まで詳細な戦略
従来の画一的なプランとは全く違う。これは紛れもなく「自分だけのトレーニングプラン」だ。
まとめ
よかったこと:
- 完全パーソナライズ
- 柔軟な調整対応
- 弱点克服の具体策
- 細部まで詰められた計画
- 励ましとモチベーション
イマイチだったこと:
- 初回の認識ズレ(前提条件の説明が必要)
- 曜日計算のミス(指摘すれば修正可能)
- 最終判断は自分(AIはツール)
予想外の発見:
- 「ジェルを諦める」という逆転の発想
- 対話しながら作る価値
あとは計画通りにトレーニングするだけ
計画を立てただけでは意味がない。これから実行していく。
やること:
- 1/10(土)の30km走で補給テスト
- 毎日5分の体幹トレーニング
- 週5回のポイント練習
- 体調管理と怪我予防
- 補給食の準備
AIが作ってくれたプランを信じて、一つ一つこなしていく。
2月8日が楽しみだ
正直、不安もある。
- 本当に30km以降もペースを維持できるのか?
- 固形食補給は機能するのか?
- ふくらはぎは痙攣しないか?
でも、以前とは違う。
今回は:
- 自分の課題を明確にした
- データに基づいた対策を立てた
- AIと一緒に納得のいくプランを作った
- 「なぜこの練習をするのか」が分かる
- 「どう対策するのか」が明確
あとは実行するだけ。
2月8日、フルマラソン本番。30km以降も失速せず、サブ3.25を達成する。
大会当日が、今から楽しみでならない。
(レース後、結果報告の続編を書く予定です。応援よろしくお願いします!)
こんな人におすすめ
生成AIでトレーニングプランを作るのは、想像以上に有益だった。
こんな人におすすめ:
- 自己流で限界を感じている
- 画一的なプランに不満がある
- 走行データを活用したい
- 短期間で効率的に準備したい
- 弱点克服の具体策が欲しい
始め方:
- 走行データを準備(Strava、Garmin等)
- 目標と期間を明確にする
- 生成AIに相談してみる
- 対話しながら調整する
重要なこと:
- 前提条件をしっかり伝える
- 間違いは遠慮せず指摘する
- 最終判断は自分で行う
- 対話しながら作り上げる
生成AIは「一緒にプランを作る仲間」だと感じた。
トレーニングプランに悩んでいるランナーは多いはず。この記事が少しでも参考になれば嬉しいです。
一緒に頑張りましょう!🏃♂️💪

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